ドローン/UAV測量とは?写真/レーザー測量の方法やメリットを解説!

公開:2024.09.12 

ドローン測量

UVA測量をするドローン機体

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近年、測量業界で注目を集めているのがドローン(UAV)を活用した測量手法です。

ドローン/UAV測量とは、無人航空機にレーザースキャナや高性能カメラを搭載し、上空から地形や地物のデータを取得する革新的な測量方法のことを指します。

実はドローン測量とUAV測量は少し違うということをご存じでしょうか?本記事では、UAVを使った測量の基本をお伝えします。

ドローン/UAV測量とは?

UVA測量で建設現場で活躍するドローン機体

近年、測量業界で注目を集めているのがドローン(UAV)を活用した測量手法です。

ドローン/UAV測量とは、無人航空機にレーザースキャナや高性能カメラを搭載し、上空から地形や地物のデータを取得する革新的な測量方法のことを指します。

UAVレーザー測量は「地面までの距離計測が得意」

UAVレーザー測量は、レーザー光の反射から地表面までの距離を計測することで、高精度な3次元データを取得できます。この手法は従来の地上測量や航空測量と比べて、高速かつ効率的なデータ収集が可能で、コスト削減や安全性の向上にも大きく貢献しています。UAV測量の中でも、写真測量とレーザー測量にはそれぞれ特徴とメリットがあります。UAV写真測量は、高解像度の空中写真を撮影することで、広範囲をカバーしながら詳細な画像情報を取得できます。

一方、UAVレーザー測量は、レーザー光の反射を利用して高精度の地形データを取得できるだけでなく、樹木下の地表面も測量可能という大きな利点があります。

森林や草地で高い性能を発揮

森林や草地が多い場所では、UAVレーザー測量が威力を発揮します。

レーザー光は植生を透過して地表面に到達するため、樹木や草に覆われた場所でも地表面の形状を詳細に測量できます。ドローン/UAV測量は、従来の測量方法と比べて多くの利点がありますが、その基本的な仕組みを理解することが重要です。

UAVに搭載されたセンサーが取得したデータを、専用のソフトウェアで処理・解析することで高精度な3次元モデルやオルソ画像などの成果物を生成します。

この一連の流れを効率的に行うことで、UAV測量は真価を発揮できます。

ドローンとUAVの違いは?

UVAとドローンの違いが分かる機体

ドローンとUAVは、どちらも無人航空機を指す言葉ですが、厳密には違いがあります。

UAVにはさまざまな機体形態が存在するが用途は限定的

ドローンは主にマルチコプター型の機体を指し、ホビー用途や空撮などに広く利用されています。

一方、UAVは無人航空機全般を指す言葉で、固定翼機やヘリコプター型など、様々な機体を含みます。ドローンとUAVの機体性能を比較すると、一般的にUAVの方が飛行時間が長く、高度な自律飛行が可能である点が特徴です。

また、UAVは産業用途に特化した機体設計がされており、測量や点検、農薬散布など、様々な分野で活用されています。

ドローンは幅広い用途で利活用

ドローンは手軽に利用できる点が魅力で、空撮や映像制作、レジャーなど、幅広い用途で親しまれています。ドローンの機動性や操作性の高さは、UAVにはない大きな利点と言えるでしょう。このように、ドローンとUAVにはそれぞれの特徴と利点があります。

測量業務においては、目的や対象物に応じて最適な機体を選択することが重要です。

ドローンの機動性とUAVの高い性能を組み合わせることで、より効果的な測量が可能になるでしょう。UAVレーザー測量は、高精度な3次元データを効率的に取得できる画期的な手法です。

レーザー光を利用することで、樹木や草地が多い場所でも地表面の形状を詳細に測量できる点は、他の測量方法にはない大きな強みと言えます。

UAV測量の基本的な仕組みを理解し、ドローンとUAVの特性を活かすことで、測量業務の可能性が大きく広がるでしょう。

主なUAV測量方法である「写真測量とレーザー測量」

写真測量とレーザー測量ができるドローン機体

UAV測量には、主に写真測量とレーザー測量の2つの手法があります。

UAV使用時の空中写真測量

写真測量は、UAVに搭載した高性能カメラで対象物を複数の角度から撮影し、その画像を処理することで3次元モデルを生成する方法です。高解像度の空中写真を取得できるため、建物や地形の詳細な形状を捉えられます。またオーバーラップ撮影により、隣り合う写真の重複部分から3次元情報を抽出できるため、高精度な3Dモデルの作成が可能です。

UAV使用時のレーザー測量

UAVレーザー測量は、UAVにレーザースキャナを搭載し、レーザー光を照射して対象物までの距離を計測する方法です。レーザー光は物体に反射して戻ってくるまでの時間を計測することで、対象物の3次元座標を高密度な点群データとして取得できます。
この手法の大きな利点は、レーザー光が植生を透過するため、樹木や草地に覆われた地表面の形状も詳細に測量できる点です。

UAV使用時の「空中写真測量とレーザー測量の違い」と「使い分け」

UAVを用いた空中写真測量とレーザー測量には、測量原理や取得データの種類、適用シーンなどに違いがあります。

UAV使用時の空中写真測量は画像データを使用

写真測量は、デジタルカメラで撮影した画像データを使用します。画像データは視覚的に理解しやすく、オルソ画像や3Dモデルの生成に適しています。
適用シーンとしては、写真測量は建設現場での進捗管理や農地の作物生育状況のモニタリングなど、視認性の高い対象物の測量に適しています。

UAV使用時の空中写真測量は点群データを使用

レーザー測量ではレーザースキャナで取得した点群データを使用します。点群データは対象物の3次元座標を直接取得できるため、高精度な地形モデルの作成に適しています。

レーザー測量は、森林管理や地形測量、河川の護岸構造物の点検など、植生下の地形や複雑な構造物の測量に威力を発揮します。

空中写真測量とレーザー測量の違いの使い分け

UAV測量を行う際は、測量対象や環境に応じて写真測量とレーザー測量を使い分けることが重要です。

例えば、建物の外観や地表面の状況を詳細に把握したい場合は写真測量を選択してください。森林内の地形や送電線の状態を調査したい場合は、レーザー測量を選択しましょう。このように、目的に合わせた測量方法の選定が求められます。

UAVレーザー測量は、高密度な点群データを取得できる点が大きな強みです。この点群データを解析することで、地表面の起伏や構造物の形状を高精度に把握できます。

また、レーザー光の透過性を活かして、樹木や草地に覆われた場所でも地表面の測量が可能なため、従来の測量手法では困難だった環境での活用が期待されています。

UAVの空中写真測量とは?

建設業界で「UAVで空中写真測量」しながら活躍しているドローン機体

UAV写真測量とは、UAVに搭載したデジタルカメラで上空から多数の写真を撮影し、その写真を用いて3次元データを取得する手法です。

この方法では、写真の重なり部分から特徴点を抽出し「バンドル調整技術」を用いて3次元座標を算出します。これにより、オルソ画像や3Dモデルを作成できます。

従来の有人航空機による空中写真測量は、高高度から広範囲を撮影するために用いられてきました。UAVを活用することで、低コストで高頻度かつ高解像度の空中写真測量が可能となりました。

従来の地上測量とUAV空中測量の違い

従来の地上測量は、トータルステーションやGNSS測量などの手法を用いますが、UAV空中測量は上空から広域を短時間で測量できる点が特徴です。測量の効率性、コスト、安全性などの面でUAV空中測量は優れており、人手不足の解消や危険箇所の測量、測量時間の短縮など、多くのメリットがあります。

UAVを活用したUAVレーザー測量とは、空中写真測量と並び、現代の測量技術において重要な役割を果たしています。各種手法を適切に使い分けることで、より精度の高いデータ取得と効率的な測量が可能となります。

UAV空中写真測量の特徴とメリット

UAV空中写真測量には以下の特徴とメリットがあります。

  • 高解像度の空中写真が取得可能:高性能カメラを搭載することで詳細な画像が撮影でき、低空飛行により高い地上解像度を実現します。これにより、高解像度のオルソ画像を生成できます。
  • 短時間で広範囲の測量が可能:UAVの機動性により効率的なデータ取得が可能で、従来の航空写真測量と比べて大幅な時間短縮が可能です。
  • 高精度な3次元データが取得可能:3Dモデルのテクスチャに実際の画像を使用でき、写真測量技術により高密度な点群データが生成できます。「1cm単位」での高い測量精度が実現可能です。
  • 人の立ち入りが難しい場所の測量に適している:危険地帯や災害現場などの測量に活用でき、立ち入り規制区域や狭小地の測量が可能です。
  • コストパフォーマンスに優れている:従来の航空写真測量と比べて低コストで実施可能。UAVの機材コストや運用コストが比較的安価です。
  • オルソ画像の活用により様々な分析が可能:正射投影画像による面積や距離の計測、時系列データの比較による変化の把握、土地利用分類や植生分析などへの活用が可能です。

UAVレーザー測量に必要な機材や手順

UAV写真測量に使用される機材には、UAV本体と高性能デジタルカメラが含まれます。

UAVは、安定した飛行性能と長時間の飛行が可能な機種が選ばれ、カメラは高解像度の画像を取得できるものが使用されます。これにより詳細な空中写真を撮影し、精度の高い3次元データを生成できます。

UAV写真測量の手順は以下の通りです。

  1. 事前準備
    測量対象エリアを確認し、飛行計画を作成します。使用するカメラやUAVを選定し、必要に応じて地上基準点(GCP)を設置します。
  2. UAVによる空中写真撮影
    自動航行または手動操作でUAVを飛行させ、対象エリアを網羅するように複数の写真を撮影します。オーバーラップ率(重複度)を考慮した撮影計画を実行します。
  3. 写真データの処理
    撮影した画像データを選別し、品質をチェックします。写真の位置情報(EXIF)を確認・調整。色調補正やノイズ除去などの前処理を行います。
  4. 写真測量ソフトウェアによるデータ解析
    写真をソフトウェアに読み込み、アライメント(位置合わせ)を行います。タイポイントを生成し、3次元点群データを作成。メッシュモデルやDSM(Digital Surface Model)を生成します。
  5. オルソ画像の作成
    オルソ補正により歪みのない画像を生成し、モザイク処理で複数の画像を結合します。正射投影による地図と同じ縮尺の画像を作成します。
  6. 成果物の出力と活用
    3Dモデル、点群データ、オルソ画像などを出力し、GISソフトウェアやCADソフトウェアで利用します。測量結果の分析や可視化、レポート作成に活用します。

UAVレーザー測量で得られるデータの活用方法

UAVレーザー測量でデータ活用しながら重宝されているドローン機体

UAVレーザー測量で得られるデータは、様々な形で活用できます。

オルソ画像の生成と利用では、正射投影画像を作成し、地図化や現況把握に役立てます。3Dモデルの生成と活用では、地形モデルや建物モデルを作成し、設計・施工に活用します。

地形解析への応用としては、断面図の作成や土量計算、水文解析などに利用されます。また、経年変化の把握と管理では、定期的な測量による変化の検出や施設の維持管理に役立ちます。

同じUAV測量でも用途に合わせて方法を選ぶのが理想的

同じ測量でもドローンとUAVで向き不向きがあることを知らなかった方もいたのではないでしょうか。

ドローンを使った空中写真測量とレーザー測量は、それぞれの特徴を理解し、適材適所で活用することが重要です。UAV測量の利点を最大限に活かすことで、測量業務の効率化や高度化を図れるでしょう。

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この記事を書いた人

1等無人航空機操縦士資格保有

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