ドローン撮影依頼者必見!依頼中のあるある疑問をQ&A形式で解消します
公開:2025.01.06 更新日:2025.01.14
ドローン全般
ドローン空撮事業者
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ドローンの撮影を依頼するとなると、何からやればいいか分からないと悩む方は少なくありません。一般的な地上撮影ですらカメラマンに依頼したことがないのに、ドローンの撮影依頼は何から相談すればいいのか……と悩む方はとても多いです。
また、ドローン撮影に関する疑問が生じてネットで検索しても調べた内容が小難しくてよく分からないという経験をした方も居るでしょう。
本記事では、そんなドローン撮影依頼前に悩む方に向けて、ドローン空撮に関してよくある質問をQ&A形式で解説します!
ドローンを飛ばす撮影場所や天気に関するQ&A
ドローン飛行には、天候や撮影場所が非常に重要です。場合によっては飛行できない可能性もあるため注意しなければいけません。
夕方や朝方の薄暗い時間帯も撮影できますか?
航空法では、日中以外でのドローン飛行が禁止されています。「日中」に該当する時間帯は各地で異なり、日の出から日の入までの時間帯です。
そのため、夕方や朝方の時間帯でドローン撮影を依頼したい場合には、制作会社が「夜間飛行」の許可承認を得る必要があります。
既に制作会社が「包括申請」と呼ばれる全国でいつでも申請した方法で、飛行可能な許可を取得していれば、朝方や夜の時間帯の撮影でもスムーズに実施可能です。
ただし、夜間飛行にその他の飛行方法が追加される飛行を行う場合には、新規で飛行許可申請を行わなければいけません。
申請の承認が降りるまでには、申請から大体2週間から4週間ほど時間がかかります。日中以外で飛行したいときには、なるべく早く制作会社に相談するのが望ましいです。
撮影前に下見に行ってもらえるの?自分たちも参加した方がいい?
基本的にドローンで撮影を行う場合は、既に行ったことがある場所でも、撮影前にロケハンティング(ロケハン)として下見を行うのが慣例です。
ロケハンではドローンを飛ばすルートや被写体も確認するため、依頼者や関係者がロケハンに同席すると、イメージに近い撮影方針が決まりやすいです。
風が強い日でも撮影できるの?
ドローン飛行時の風の扱いとしては、風速が5m/s以下であれば中型ドローンは安定して飛行できます。風速5m/sのイメージとしては、砂埃が舞い木々の葉が少し揺れる程度です。
しかし、撮影等日に天気に恵まれたとしても、継続的な強い風や突風が発生することは少なくありません。
このような状態でドローンを飛ばすとドローンが操縦通りに動かなかったり、機体が揺れ建物にぶつかったりする恐れがあります。
具体的に法令で風速に関する規制はありませんが、万が一、事故につながらないよう、風速が強い場合は、風が止むのを待ってから撮影することが多いです。
どうしても強めの風が継続的に吹く場合には、天候が良くても、日程を改めることもあります。
雨が降りそうな日はどうするの?
ドローンは精密機械であり、特に湿気や水分に弱い機械です。
ドローンは熱暴走しないよう、熱がこもりにくく、同時に水分が内部に入り込みやすい構造になっています。
ドローンに雨水が入り飛行中に故障した場合、地上に落下して、ドローンの下にいた人やものに衝突して傷害を与えてしまうかもしれません。そのため、ドローンを飛ばす撮影日は徹底的に予定日の天気について調べ、撮影する時間帯に降雨率が高ければ日程をリスケします。
事前に定めていたドローンの撮影日が近づいたら、例えば、3日前と前日、当日のようにある程度の時間を空けて撮影予定日の天気予報を確認することが多いです。
一定の時間だけ雨が降る場合には時間をずらして撮影するほか、撮影中に雨が降ってきた場合は一旦待機し、雨雲レーダーの様子などを考慮して続行するかを決めます。
天候不良で撮影ができなかった場合、再撮影の費用はどうなるんですか?
撮影予定日より前に日程を変更することになった場合、基本的に日程変更は無償で行う制作会社が多いです。
天候不良で撮影できなかった場合の再撮影の費用は制作会社によって異なるので、依頼する際は事前に天候不良時の対応を確認しておきましょう。
- 当日に撮影チームが出発する前に中止を判断した場合は無償で再撮影日を調整する。
- 当日の朝〇時の段階で雨が降っていた場合、撮影を中止し無償で再撮影日を調整する。
- 当日の朝〇時の段階で雨が降っていた場合、撮影を中止し有償で再撮影日を調整する。
- 当日撮影中に降雨や強風により撮影できなかった場合は固定で〇円が発生する。
- 当日撮影中に降雨や強風により撮影できなかった場合、無償で再撮影日を調整する。
ドローンで撮影する内容に関するQ&A解説
はじめてドローンでの撮影を依頼する際、そもそも撮影依頼自体が初めてという方も多いです。
どうしても通常の仕事依頼とは異なり、自分の頭の中にあるイメージを具体的に伝えるとなると難しいですよね。そして、「これってどうなんだろう?」という素朴な疑問も湧くでしょう。
そんな方に向けて、ドローンで撮影する内容でよくある質問について解説します。
具体的にどんな映像が欲しいのかしっかりと伝えたいけど、伝え方が分からない……
撮影して欲しい映像のイメージを伝えるときに、上手く言葉にならなかったり、イマイチ意図が伝わっていない気がしたりすることは珍しくありません。
対応は制作会社によって異なりますが、依頼者のイメージをなるべく具体的な映像設計や絵コンテに落とし込むため、制作会社ごとに以下例のようなさまざまな工夫をしています。
- 事前に質問をまとめたヒアリングシートを依頼者に記入して貰った上で詳細を深掘りするパターン
- 自社の過去撮影事例を共有し、事例の中で取り入れたいシーン等の有無を確認するパターン
- 依頼者に参考映像と依頼したい映像のストーリー展開を共有してもらい、制作会社が絵コンテに起こして確認するパターン
より具体的に伝え方を知りたい方は「ドローンの撮影を依頼する場合の注意点は?仕事依頼前に知っておくべき確認事項をまとめて解説!」の記事で、どんな映像を希望しているのかを言語化するための質問をまとめて紹介していますので、ぜひチェックしてみてください!
カメラの画質やサイズは取り敢えず4Kの16:9でお願いすれば大丈夫?
ドローンによって異なりますが、一般的にドローン撮影では4Kや2.7K、HDなどの画質で撮影できます。画質について聞かれても、「取り敢えず4Kで撮っておけば大丈夫でしょう」と思う方が多いのではないでしょうか。
しかし、スマートフォンで視聴する場合、人間の眼では4KとHDの画質差を判断するのは難しいです。
そのため、パソコンやプロジェクター、シアターなど大画面で撮影する場合は4Kのような高画質での撮影が適しており、スマートフォンでの視聴を前提としている場合は基本的にHD撮影で問題ありません。
なお、撮影する映像のサイズについても利用するプラットフォームでの通例に合わせるのが通常です。
Instagramひとつでもさまざまな撮影サイズが推奨されているように、各プラットフォームで推奨されるサイズが異なるため、分からない場合は使用したいプラットフォームや用途と合わせて制作会社に相談しましょう。
撮影後や編集後の映像が私たちのイメージと違ったら修正してくれるの?
制作会社のプランによって異なりますが、編集後の映像は1回または2回まで無料で修正する制作会社が多いです。
ただし、事前に制作会社がヒアリングした内容から大きく外れる修正の場合は、無料修正の対象外になることもあります。
撮影後の映像が自分達のイメージしていたものと違う場合、制作会社が伝えた通りの意図に従っていなかった場合は無償で再撮影されるケースが多いです。
編集後の映像と同様、事前ヒアリング内容と大幅に異なる場合は有償での再撮影となるケースがほとんどですので、事前にイメージしている映像がどのような映像か伝わっているのかは念入りに確認するのがベストです。
ドローン撮影自体に関するQ&A解説
ドローン撮影依頼したものの、どのように撮影するのかは分からないという方は非常に多いです。
以下では、実際に筆者が今まで依頼者から質問を受けた内容を解説します!
撮影当日は依頼した側も同席した方がいいの?
撮影当日に依頼者が同席した方が、撮影後に「イメージと違う映像を撮影されてしまった」のような齟齬が生まれにくいです。
なるべく撮影には依頼者または撮影イメージを具体的に共有済みの関係者が同席するのがオススメです。
なお、同席する場合は「ドローン運航の関係者」になるため、ドローン飛行中やその前後の注意点などをあらかじめ制作会社に確認しておきましょう。
撮影当日はどんな流れで進むの?
基本的に撮影当日は以下のような流れで進行することが多いです。順番が変わることはあれど、実施する内容はほぼ同じですので、参考にしてください。
- 当日の天候確認。
- 撮影チームが合流次第、飛行場所周辺の最終チェック。
- 機体組み立てや備品用意などの準備。
- 航空法で定められている事前点検やバッテリー状況のチェック。
- ドローンの試運転、上下左右の動きやレンズの角度調整に問題がないかを確認。
- 補助者を指定の位置に配置したら空撮を開始、飛行地点が遠くなっても離陸地点に戻れるようバッテリー残量が30%程度になったらバッテリー交換のため帰還。
- バッテリーを交換し、再度バッテリーの状態やドローンの挙動を確認した上で撮影を再開。
- 撮影が終了したら撮影データを確認し、問題が無ければ片付けを開始。
- ドローンの点検を行い、故障や異常がないかを確認。
- 備品や飲食物などのゴミがないかを確認し、元の状態に戻してから撤退。
事故が起きないようにどんなリスク管理や対策を行っているの?
一般的に多くの制作会社が実施している対策としては、以下のようなものがあります。以下に記載がない対策を行っている制作会社もありますが、基本的なリスク管理内容はあまり差はありません。
- リアルタイム監視: 操縦者だけでなく補助者等が常にドローンの動きをモニタリングし、異常があれば即座に共有して対応。
- 電波干渉への対応: 電波障害やGPS障害が発生しやすいエリアでは無理に自動運転を行わず、手動操作への切り替えを行う。
- 緊急事態マニュアル: 墜落やトラブル発生時の対応手順を操縦者全員が共有。
- 予備機材の準備: 故障時に備えた予備機や部品を常に用意し、万が一は交換出来る体勢を確保。
- 飛行ルート設計: 安全な飛行ルートと高度を事前に設定し、障害物との接触リスクを最小化。
ドローン飛行における法令対応やプライバシー保護に関するQ&A
ドローンは遵守すべき法令が非常に多く、加えてうっかりでもプライバシーを侵害しかねません。
これらに抵触しないよう、各ドローン空撮会社ではさまざまな対策を行っています。
撮影許可の取得は任せて大丈夫?
国土交通省への撮影許可は、制作会社が行わなければいけない業務です。
航空法以外の法令で規制されている場所で飛行したい場合は、制作会社が各場所の管理者に飛行許可を申請します。
各場所ごとの申請先としては、以下のような部署であることが多いです。なお、許可取得時間がかかる場合もあるため、余裕を持って撮影を依頼するようにしましょう。
- 道路:最寄りの警察署
- 港や海岸:自治体の土木事務所、観光課、観光協会、港湾など(場所により異なる)
- 山林:環境省(国立公園・国定公園)、林野庁
- 一級河川:国土交通省
- 二級河川:都道府県・市町村の河川管理担当部署
- 国立公園・国定公園:環境省、管理者
- 一般的な公園:自治体等の管理機関
- 無人島:漁業協同組合、所有・管理機関
- 私有地:所有者または管理者
希望する撮影場所が飛行禁止の場合はどうしたらいいの?
希望する場所が飛行を禁止されている場合、管理者に任意の飛行計画書や飛行許可証などを提出すれば許可が降りる場合があります。
ただし、撮影した映像を管理者が確認することを求められたり、営利目的での使用を禁止されたりなど条件を提示される場合も少なくありません。
ドローン空撮を依頼する場合、飛行禁止場所への許可申請は制作会社が行います。
映像に映り込む個人のプライバシーはどう保護するんですか?
基本的には以下のような対策を行い、映像に個人情報が映り込んだり、映り込んだまま納品しないようにしたりする制作会社がほとんどです。
- 撮影前に周辺住民への事前告知を徹底。
- 操縦者とは別に監視員を配置し、プライバシー侵害の可能性がある場面を即座に把握。
- 撮影中、周囲にドローン飛行中であることを周知するための看板や案内を設置。
- カメラアングルと飛行高度の適切な調整による個人情報の映り込み防止。
- 住宅地での撮影時は窓やベランダを避けた撮影角度の設定。
- 撮影後、映像を入念にチェックし、個人情報が映り込んでいる場合はモザイク処理やぼかし加工を実施。
- 必要に応じて撮影許可や関係者の同意を取得。
- 仮納品時に依頼者にも映像を確認してもらい、個人情報侵害の有無について意見を求める。
まとめ:ドローン撮影を依頼する前には基本情報を事前に調査しておきましょう
ドローンの撮影依頼をする際に生じやすい、よくある疑問について解説しました。
ドローンで通常とは異なる映像が撮影できるのは分かっていても、いまいちどんな風に撮影するのかなど、撮影に対するイメージが湧かず依頼を躊躇していたという方は非常に多いです。
本記事はあくまで一般的な制作会社であればこう対応するという事例の紹介であるため、実際の対応については各制作会社に確認しましょう。
#ドローン撮影 #ドローン空撮 #ドローンの疑問
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1等無人航空機操縦士資格保有
ドローンの可能性を広げるため、有益な情報の発信や飛行に関する情報をお届けします。人手不足の解決や、実現不可能だったことを実現していく可能性を秘めたドローンを様々な方へ理解いただき、有用性を実感できるようなメディアにします。