海でドローン撮影する方法|安全な飛行と許可申請の手順

公開:2025.02.14 

ドローン空撮

海でドローンを飛ばす方法

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海でドローン撮影してみたいけど、何から始めたらいいの?許可は必要?安全に飛行するための知識が不足しているあなたへ。
この記事では、海でのドローン飛行に必要な手続き、法律、注意点、そして安全な飛行のための必須アイテムを網羅的に解説します。
美しい海を背景にした空撮を実現するための、ステップバイステップガイドです。
※この記事はドローンの飛行について基礎的な法律やドローンの知識がある人へ向けた記事で、初心者向けではありません。

ドローン飛行に関する法律と規制

海でドローン撮影する際、飛ばす前に必ず理解しておかなければならないのが、ドローン飛行に関する法律と規制です。美しい景色を撮影する前に、トラブルを避けるためにも、しっかりと確認しておきましょう。主に航空法が関係してきますが、場所によっては他の法令も適用される場合があります。

航空法の規制と適用除外

日本のドローン飛行は、基本的に航空法によって規制されています。200グラムを超えるドローンを飛ばす際には、飛行に関するルールを遵守しなければなりません。具体的には、飛行禁止区域への進入禁止、夜間飛行の制限、人や建物の上空を飛行することの禁止など、様々な規制があります。しかし、航空法には適用除外規定も存在し、条件を満たせば規制を受けずに飛行できる場合があります。例えば、飛行許可や承認を得ている場合などが該当します。詳細については、国土交通省のホームページなどで確認しましょう

海岸・港湾における規制

海岸線や港湾エリアでのドローン飛行は、特に注意が必要です。船舶の航行を妨げたり、安全を脅かす可能性があるため、規制が厳しく設定されている場合があります。飛行前に、管轄する海上保安部や港湾管理者に事前に確認し、許可を得ることが重要です。また、海岸付近は、地形や風の影響を受けやすく、飛行に危険が伴う可能性があります。安全な飛行のためにも、事前に十分な調査と準備が必要です。

その他の関連法規

航空法以外にも、ドローン飛行に関連する法規が存在します。例えば、個人情報保護法に抵触するような撮影を行わないよう注意が必要です。また、撮影場所によっては、私有地への無断侵入となる可能性もあります。飛行場所の所有者や管理者への許可を得るなど、関連法規を十分に理解し、遵守することが重要です。さらに、ドローンによる事故や損害発生に備え、適切な保険に加入することも検討しましょう。万が一の事態に備えることで、安心してドローン飛行を楽しむことができます。

許可申請・届出手続き

海でドローンを飛ばすためには、飛行場所や目的によっては様々な許可申請や届出が必要になります。美しい映像を撮影する前に、必ず必要な手続きを済ませ、法令を遵守しましょう。複雑な手続きに戸惑う方もいるかもしれませんが、この記事では手順を分かりやすく解説しますのでご安心ください。

飛行許可申請の手順と必要書類

ドローンを飛ばす際には、航空法に基づいた許可申請が必要となる場合があります。具体的には、飛行場所やドローンの種類、飛行目的によって異なります。まず、国土交通省航空局のホームページなどで、飛行許可の必要性や申請方法を確認しましょう。申請には、ドローンの機体情報、飛行計画書、飛行場所の地図、操縦者の資格など、多くの書類が必要となるため、事前にしっかりと準備しておきましょう。申請書類は、オンライン申請システムを利用できる場合もあります。事前にシステムの利用可否を確認し、スムーズな申請を心がけましょう。

事前協議の方法と注意点

特に、空港周辺や人口密集地、航行船舶の多い海域などでは、事前に関係機関との協議が必要となる場合があります。空港周辺での飛行は、航空機の安全運航に支障をきたす可能性があるため、特に厳格な規制が設けられています。協議は、関係機関の窓口に連絡し、飛行計画書などを提出して行います。協議においては、飛行日時、飛行ルート、ドローンの種類、安全対策などを明確に伝え、関係機関の承認を得ることが重要です。協議の内容によっては、飛行許可が下りない場合もありますので、十分に注意が必要です。

申請先と連絡窓口

飛行許可申請や事前協議の申請先は、飛行場所によって異なります。国土交通省航空局、地方航空局、海上保安部など、関係機関によって管轄区域が異なるため、事前に管轄区域を確認し、適切な窓口に申請を行う必要があります。各機関のウェブサイトには、連絡先や申請方法に関する詳細な情報が掲載されていますので、必ず確認しましょう。不明な点があれば、電話やメールで問い合わせて、丁寧に説明を受けることが重要です。スムーズな手続きを進めるためには、関係機関との良好なコミュニケーションが不可欠です。

筆者が実際海での撮影に関して許可取をした実体験

筆者は何度か海での撮影を行っていますが、撮影の許可取をした際の実際の経験をお伝えいたします。

・撮影場所は海の沖合
・撮影対象物は漁船(船の撮影許可は取得済み)
・撮影時間は日中

まず撮影の許可として飛行場所の許可を取る必要があると思い、まずは撮影予定地の海がある自治体へ連絡を取りました。
地名+ドローン撮影許可等で検索をかけると自治体のホームページが検索にヒットする可能性が高いので、まずはこちらを試してみましょう。
筆者もまずは検索してどこに連絡するべきかを調べてから自治体へ連絡しました。
自治体へ連絡後は担当部署へ繋いでいただき、撮影の概要などを伝えるとこの後どのようにしたら良いか教えてくれます。
あまりドローンに慣れていない自治体ですとすぐに回答が返ってこない場合もありますので急ぎの方はご注意ください。

実際に自治体へ連絡した際に言われた一例として、
遠くの沖合に出るのではなく海岸付近の海で撮影であれば、「海は誰のものでもなく皆さんのものなので特に問題なく撮影して大丈夫です」と言われました。この場合海岸に操縦者がいて電波の届く範囲で撮影と解釈しました。
しかし、何か撮影日に工事やイベントなどを行っている可能性もあるので、管理している土木事務所の確認、管轄の海上保安庁への確認をしてもらうとより良いかと思います。とのことで念の為それぞれに連絡をして当日の撮影を行いました。この時は特に何か申請書を出したりということはなく、いつ飛ばすかということを伝えて把握しておきますので、安全に飛行してください。ということで許可取は終わりました。
ケースによっては申請書などを出す場合もあるかもしれませんのでしっかりと確認を取るようにしてみてください。

安全な飛行のための準備

いよいよ海でのドローン飛行に挑戦する準備段階です。安全で成功したフライトのためには、綿密な準備が不可欠です。この記事では、機体の選定から天候の確認、そして万が一の事態に備えた対策まで、具体的なステップを解説します。準備万端で、美しい海を背景にした素晴らしい空撮を実現しましょう。

ドローンの機体選定と性能確認

まず、使用するドローンを選びましょう。海での飛行には、防水性能や耐風性能が高い機体が必須です。機体の仕様書をよく確認し、耐風性能や防水性能、飛行時間などをチェックしましょう。特に、風の強い日や波しぶきがかかる可能性のある場所では、高性能な機体を選ぶことが重要です。また、予備バッテリーやプロペラも忘れずに用意しましょう。万が一のトラブルに備え、予備機材があると安心です。

バッテリーと予備バッテリーの確保

ドローンのバッテリー残量は、飛行時間を大きく左右します。十分な飛行時間確保のためには、予備バッテリーの用意は必須です。使用状況や機種にもよりますが、最低でも1つは予備バッテリーを用意することをおすすめします。また、バッテリーの充電状態も事前に確認し、満充電にしておきましょう。充電器も忘れず持ち運び、いつでも充電できる状態を維持することが大切です。

天候と風の状況確認

海でのドローン飛行は、天候に大きく左右されます。飛行前に必ず天気予報を確認し、風速や波高、雨の有無などをチェックしましょう。強風や雨天時は飛行を中止することが重要です。安全な飛行のためには、風の影響を受けにくい穏やかな日を選ぶことが大切です。スマートフォンアプリやウェブサイトなどを活用して、リアルタイムの天気情報を入手しましょう。

飛行場所の選定とリスクアセスメント

飛行場所の選定も非常に重要です。飛行禁止区域や危険区域がないか、事前に確認しましょう。航空法や地方自治体の条例などを確認し、許可が必要な場所では、適切な手続きを行いましょう。また、周囲に障害物がないか、船舶の航路を妨げないかなども確認し、リスクアセスメントを行いましょう。安全に飛行できる場所を選び、万が一の事態に備えて、周囲の状況を把握することが大切です。

海でのドローン飛行における注意点

美しい海を背景にドローン撮影を行うことは魅力的ですが、安全な飛行を確保するためには、陸地での飛行とは異なる特有の注意点が存在します。ここでは、海でのドローン飛行で特に注意すべき点を、具体的な対策とともに解説します。

航行船舶への配

ドローンは、一見小さくても、航行中の船舶にとっては危険な存在となり得ます。飛行中は、常に周囲の船舶の状況を把握し、衝突の危険性がないか注意深く確認しましょう。船舶の航路を妨げないよう、十分な距離を保つことが重要です。特に、港湾内や航行の激しい海域では、より一層の注意が必要です。万が一、船舶と衝突する危険性がある場合は、直ちにドローンの飛行を中止し、安全な場所に移動させましょう。また、船舶の近くを飛行する際には、船長や乗組員に飛行の意思表示を行うなど、コミュニケーションを図ることも有効です。

水没リスクと対策

海でのドローン飛行における最大の危険は、水没です。水没すると、ドローン本体だけでなく、高価なカメラや機材も失うことになります。そのため、防水性能の高いドローンを選ぶことはもちろん、万が一の水没に備えた対策が不可欠です。具体的には、防水ケースの使用、予備バッテリーの携行、ドローン保険への加入などを検討しましょう。さらに、飛行中はドローンの状態を常に監視し、異常を感じたら直ちに飛行を中止し、安全な場所に回収することが大切です。水しぶきがかかる可能性のある場所では、特に注意が必要です。

周辺環境への影響

ドローンのプロペラは、鳥や魚などの野生動物に危険を及ぼす可能性があります。飛行場所を選ぶ際には、鳥類の生息地や繁殖地、魚礁などの生態系に配慮し、影響を与えないよう注意しましょう。また、ドローンが落下した場合に、周辺環境に悪影響を与えないよう、自然保護区や環境保護区域内での飛行は避けましょう。さらに、ゴミや騒音など、周辺環境への影響にも配慮し、マナーを守って飛行することが大切です。美しい自然を守るためにも、環境への配慮を忘れずにドローンを操縦しましょう。

緊急時の対応

海でのドローン飛行では、陸地での飛行以上に緊急事態が発生する可能性があります。そのため、緊急時の対応手順を事前にしっかりと理解し、適切な行動が取れるよう準備しておくことが重要です。例えば、ドローンが制御不能になった場合、バッテリーが消耗した場合、水没した場合など、様々な緊急事態を想定し、それぞれの状況に応じた対応策を事前に計画しましょう。さらに、緊急連絡先をリストアップし、必要に応じて関係機関に連絡できる体制を整えておくことも重要です。安全な飛行を確保するために、万全の対策を立てておくことが大切です。

安全なドローン操縦と飛行スキル

美しい海を背景に、ドローンで空撮をするためには、安全な操縦技術と飛行スキルが不可欠です。単にドローンを飛ばすだけでなく、周囲の状況を的確に判断し、適切な対応ができるスキルを身につけることが、事故防止や安全な撮影に繋がります。この章では、安全なドローン操縦と飛行スキルを習得するための方法を解説します。

操縦練習とスキル向上

まずは、ドローンの操作に慣れるための練習が重要です。広い場所で、障害物のない安全な環境を選び、基本的な操作(離陸、着陸、ホバリング、移動)を繰り返し練習しましょう。操縦シミュレーターを利用するのも効果的です。シミュレーターを使えば、リスクなく実践的な練習ができます。徐々に高度な操作に挑戦し、スムーズな操縦を習得しましょう。操縦スキル向上には、継続的な練習が不可欠です。定期的に練習時間を確保し、常に技術の向上に努めましょう。

緊急時対応訓練

ドローン飛行では、予期せぬトラブルが発生する可能性があります。バッテリー切れ、GPS信号の消失、強風など、様々な状況を想定し、緊急時の対応を事前に練習しておくことが大切です。例えば、バッテリー残量が少なくなってきたら、すぐに安全な場所にドローンを着陸させる訓練をしましょう。また、GPS信号が途切れた場合の対処法や、強風時の緊急着陸方法なども練習しておくと安心です。 これらの訓練は、実際にドローンを飛ばして行うだけでなく、シミュレーターを活用するのも有効です。

安全な飛行のための知識習得

安全なドローン飛行には、操縦スキルだけでなく、関連法規や安全に関する知識も必要不可欠です。航空法や、飛行禁止区域に関する知識をしっかりと理解し、法令を遵守した飛行を心がけましょう。また、気象状況の確認、バッテリーの適切な管理、周辺環境への配慮など、安全な飛行のための知識を継続的に学ぶ姿勢が重要です。インターネットや書籍、ドローン関連の講習会などを活用して、常に最新の情報を収集しましょう。安全知識の習得は、事故防止に繋がるだけでなく、より素晴らしい空撮を実現するための基盤となります。

海でのドローン撮影テクニック

いよいよ、お待ちかねのドローン撮影です!ここまで準備が整ったら、あとは美しい海の景色を捉えるだけです。しかし、ただ飛ばすだけではもったいない。最高の空撮を実現するために、いくつかのテクニックをマスターしましょう。

撮影ポイントの選定

まずは、撮影ポイント選びが重要です。単に海を撮るだけでなく、魅力的な被写体を探しましょう。例えば、海岸線の特徴的な地形、美しい入り江、沖合に浮かぶ島々、サーフィンを楽しむ人々、潮の満ち引きで変化する海岸線など、多様な被写体があります。 事前に写真や動画サイト、地図などを活用して、撮影ポイントをリサーチし、理想的なアングルや構図をイメージしておくと良いでしょう。また、第3者を撮影することは基本的にはNGですのでサーフィンを楽しむ人々を撮影したいのであればその方々へ撮影しても良いか許可を必ず取るようにしましょう。更に撮影場所が安全な場所であるかどうかも確認しましょう。

撮影時間帯の選択

海の表情は時間帯によって大きく変化します。穏やかな朝焼けや夕焼け、太陽の光が水面をキラキラと輝かせる昼間、幻想的な雰囲気を醸し出す夜など、それぞれの時間帯に合わせた撮影計画を立てましょう。特に、マジックアワーと呼ばれる日の出後と日没前後の時間帯は、柔らかな光と美しい色彩が得られるため、絶好の撮影チャンスです。ただし、日没後は視界が悪くなるため、安全に十分注意してください。
また、日の出前や日の入り後の撮影にはついて夜間飛行になりますので、許可承認申請についてしっかりと確認して違反とならないよう十分注意しましょう。

構図とアングル

ドローン撮影では、地上撮影では得られないダイナミックな構図やアングルが可能です。鳥瞰図で広大な海の景色を捉えたり、水面すれすれの低空飛行で波の動きをダイナミックに表現したり、様々な表現に挑戦してみましょう。被写体の配置や遠近感、視線の誘導などを意識し、見ている人が感動するような構図を心がけましょう。定番の構図だけでなく、独創的なアングルを探求してみるのも良いでしょう。 例えば、海岸線と水平線を意識した構図、岩場や船との組み合わせなど、工夫次第で無限の可能性が広がります。

編集と仕上げ

撮影した映像は、編集ソフトを使ってさらに魅力的な作品に仕上げましょう。不要な部分をカットしたり、色調を調整したり、音楽や効果音を加えたりすることで、より印象的な動画を作成できます。 編集ソフトの使い方を学ぶことで、より高度な映像表現が可能になります。また、撮影時の天候や時間帯、場所などの情報を加えることで、動画に深みが増します。美しい海を背景にしたドローン映像は、編集次第でさらに魅力的なものになります。 こだわりの編集で、あなたの作品をより一層輝かせましょう。

これらのテクニックを参考に、安全に配慮しながら、最高の海中ドローン撮影に挑戦してみてください! 美しい映像を撮影し、思い出に残る作品を作り上げましょう。

まとめ:安全で成功する海でのドローン飛行

この記事では、海でのドローン飛行を成功させるための、法律、規制、安全対策、そして実践的なテクニックについて詳しく解説しました。美しい海を背景にした空撮は魅力的ですが、安全に、そして合法的に飛行するためには、事前の準備と知識が不可欠です。航空法をはじめとする関連法規を理解し、必要な許可申請や届出を適切に行うことはもちろん、ドローンの機体選定からバッテリー管理、天候の確認、そして操縦スキル向上まで、あらゆる面で万全を期す必要があります。

海でのドローン飛行は、陸地での飛行とは異なるリスクが伴います。水没リスクや船舶との衝突、周辺環境への影響など、想定されるトラブルへの対策を事前に講じることで、安全性を高めることができます。さらに、効果的な撮影を行うためには、撮影ポイントや時間帯、構図、アングルなどを考慮した計画的なアプローチが重要です。この記事で紹介した情報を参考に、安全で成功する海でのドローン飛行を実現してください。

美しい海を舞台にした、記憶に残る空撮映像を撮影し、その感動を共有しましょう。ただし、常に安全を最優先し、責任あるドローン操縦者として行動することを心がけてください。 海でのドローン飛行は、準備と知識、そして責任感があれば、素晴らしい体験となるでしょう。

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この記事を書いた人

1等無人航空機操縦士資格保有

ドローンの可能性を広げるため、有益な情報の発信や飛行に関する情報をお届けします。人手不足の解決や、実現不可能だったことを実現していく可能性を秘めたドローンを様々な方へ理解いただき、有用性を実感できるようなメディアにします。

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