ドローンのインストラクターとは?必要な資格から年収まで詳しく解説

公開:2024.10.16 

ドローンスクール

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ドローン操縦の仕事を一定期間で行いたいため、経験を生かしてインストラクターになりたいけれど何から始めてよいかわからず困っている人はいませんか?

この記事では、ドローンインストラクターに必要な資格から年収まで詳しく解説します。

ドローンインストラクターとは?

ドローンのインストラクターの作業風景

ドローンインストラクターとはドローンスクールや講習会などで、ドローンを活用するために知っておきたい法律の知識や活用シーンに合わせた適切な操縦技術を教える講師のことです。

ドローンインストラクターは、主に以下のような仕事を行います。

項目概要
ドローンの操縦方法の指導ドローンの飛行技術、操縦方法、安全対策などを教える
飛行計画の立て方の指導飛行計画の立て方やGPSや地図データを利用した飛行ルートの設定方法を教える
法律による規制の説明ドローンに適用される法律とそれにより規制される内容について説明
メンテナンスの指導・ドローンの保守・点検方法の指導
・ドローンのパーツの扱いや定期メンテナンスの重要性について教える
実技試験対策・実技試験の内容について教える
・模擬試験を行う
特定用途でのドローンの使い方・空撮、測量、農業、災害対策など特定の分野でのドローン活用方法を教える

ドローンインストラクターは、受講生が安心・安全にドローン操縦ができるようになることを目的に日々の指導に取り組んでいます。

ドローンインストラクターになるのに必要な資格

ドローンインストラクターに必要な資格を保有しているパイロット

ドローンインストラクターになるためには、必ず資格が必要な訳ではありません。

ただしドローンインストラクターは、前の項目でお伝えした仕事内容や受講生の資格取得のサポートを適切にできるのが望ましいため、民間資格の1つであるインストラクター資格を取得する人が多い傾向です。

ドローンインストラクター資格は、ドローン資格ドローンスクールを認定する民間団体のホームページでその詳細を確認することができます。

ドローンインストラクターになるのにおすすめの資格を5つご紹介します。

インストラクターになるためではなく、飛行のためのドローン資格についても知りたい方は、次の記事もごらんください。

【初心者向け】ドローン操縦に資格は必要?知っておきたいドローンスクールや民間資格の基本 – ドローンHUB (drone-hub.net)

JUIDAが認定する「認定スクール講師」

ドローンを含む次世代移動体システムの新たな産業・市場の創造支援と、健全な発展への貢献を目的として設立された団体が、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)です。

JUIDAはドローン資格ドローンスクールの認定をしていますが、「認定スクール講師養成講座」を開講しドローンインストラクターの養成も行っています。

認定スクール講師養成講座の概要は以下の通りです。

項目概要
期間2日間(各12:50~18:00)
講義内容・オンライン開催
・計8講義(各4講義ずつ)
・1日目
1.安全運航管理
2.リスクアセスメント
3.講師の心構えと効果的なインストラクション
4.電波と無線

/ 2日目
1.バッテリー
2.気象
3.有人機と無人機の航空の安全について
4.レベル4飛行 法制度の動向と課題
申込方法・受付期間から3営業日前に認定スクールへ事前案内メールを送付
・事前案内メール到着後、認定スクールより受講者へ説明
申込時の提出物・受講者の顔写真と推薦状(顔写真の形式は<カラー、無帽、正面、上三分身、無背景(単色)>)
・推薦状は事前案内メールに添付された「講師推薦状」を使用し「スクール印」か「法人印」を必ず捺印

受講希望者はJUIDAのホームページで最新の開催スケジュールを確認しておきましょう。

参考:JUIDA「JUIDAドローン資格」

参考:JUIDA「認定スクール講師養成講座」

一般社団法人日本ドローン協会が認定する「JDAインストラクター

一般社団法人日本ドローン協会(JDA)は、ドローン事業を達成するために「安全」「防災/減災」「産業」「エンタメ」「教育」の5つの柱を基に活動する団体です。

JDAではドローンの高度な知識と技能を習得していて、講師として日本ドローン協会で教えることができる人をJDAインストラクターとして認定しています。

JDAインストラクター講座の概要は次の通りです。

項目概要
期間2日間
講義内容学科・実技
受講要件・UAV1級操縦士とJDAドローン安全管理者の資格を取得している
・マスター(以上)の推薦を受けた人

受講希望者は、JDAのホームページにある実施校一覧から講座の詳細を確認しておきましょう。

参考:一般社団法人日本ドローン協会「国家資格」

一般財団法人日本ラジコン電波安全協会が認定する「ドローンインストラクター

一般社団法人日本ラジコン電波安全協会は、ラジコン用電波の適正な運用を確保することで、日本のラジコンの健全な普及や発展を図り、公共の福祉への貢献を目的に設立された団体です。

ドローンインストラクター制度は2017年から設けられ、一般社団法人日本ラジコン電波安全協会はドローンインストラクターを次のように定義づけています。

  • ドローン初心者に対して、運用に必要な知識と安全な操縦技術の指導にふさわしい人
  • GPS制御がない状態で、オートパイロット(自動操縦)設定とオートパイロットから離脱した状態での飛行ができる人

ドローンインストラクター講座の概要は以下の通りです。

項目概要
期間2日間
講義内容・マルチコプターの仕組みや安全飛行に必要な気象、電波などに関する座学
・マルチコプターの安全点検、操縦技術の習得(実技)
受講要件・20歳以上の人
・ドローンオペレーター1級の認定登録者またはラジコンインストラクター(飛行機、グライダー、ヘリコプター)の認定登録をした人
・対人・対物補償の保険に加入した人

期間内に講習会を受講した後認定試験を受ける流れなので、申込方法やスケジュールの詳細は一般社団法人日本ラジコン電波安全協会のホームページで確認しましょう。

参考:一般財団法人日本ラジコン電波安全協会「ドローンインストラクターの資格取得について」

DPAが認定する「ドローン操縦士回転翼3級インストラクター

一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA)はドローン航空業界の安全確保につとめ技術・知識の普及やさまざまな研究調査を行い、ドローンの健全な発展を促進するのを目的として設立された団体です。

資格認定事業を2017年6月から開始し、回転翼航空機の実地を講習するための技能と、座学・実地を講習する際に必要な基礎知識を持つ人をドローン操縦士回転翼3級インストラクターとして認定しています。

ドローン操縦士回転翼3級インストラクター講座の概要は次の通りです。

項目概要
対象ドローン操縦の上級者
適正要件・18歳以上の人
・視力が両眼で0.7以上、片目0.3以上(矯正視力でもよい)
・赤色、青色、黄色の識別ができる
認定内容・ドローン操縦士回転翼3級の実地を講習するための技能
・ドローン操縦士回転翼3級の座学、実地を講習する時に必要な基礎知識
認定要件・ドローン操縦士回転翼3級を取得している
・50時間以上の飛行経験がある
・ドローン操縦士回転翼3級の実用知識(学科)、技能(実技)を講習する際に必要な基礎知識を持つ
・ドローン操縦士回転翼3級の技能(実技)を講習するための技能を持つ

資格取得を希望する人は、詳細をDPAのホームページから確認しましょう。

参考:DPA「資格認定事業」

一般社団法人日本ドローンビジネスサポート協会が認定する「DJI CAMP インストラクター

一般社団法人日本ドローンビジネスサポート協会(DBA)は「ドローンでしあわせに」を理念にドローンの安全・安心な活用の推進、ドローンをビジネスに活かしたい人へのサポート活動を行っています。

ドローンビジネス検定、DJIスペシャリスト認定試験など複数の資格を認定していますが、それらの認定を担当するのがDJI CAMPインストラクターです。

DJI CAMPインストラクターになる条件は以下の2つです。

  • 50時間以上の飛行操縦経験
  • 過去に国土交通省にドローンの飛行に関する許可・承認についての申請をした経験がある

2日間の座学講義、筆記試験、実技試験を受講して技能テストに合格すると、DJI CAMPインストラクター認定証が発行されます。

講座は非公開で開催しているため、詳細はDJI CAMP運営事務局まで問い合わせをしましょう。

参考:DJI CAMP「よくある質問」

ドローンインストラクター年収

ドローンインストラクターとして活躍しているパイロット

求人募集サイトでドローンインストラクターを検索すると、正社員の月の給与はおおむね18万円~35万円と記載されています。この給与から年収を推定すると、ボーナスがない場合216万円~420万円、ボーナスを2ヵ月分と考えると252万円~490万円となります。

ただし求人募集の雇用形態を見ると必ずしも正社員というわけではなく、日給2万円~10万円の嘱託社員、月給20万円~の派遣社員の場合もあります。

また業務委託で報酬は売上の60%の求人募集もあるため、ドローンインストラクター年収は働き方により個人差が大きいと言えるでしょう。

ドローンインストラクターの働き方

ドローンインストラクターとして働いているパイロット

前の項目を踏まえると、ドローンインストラクターは例として次のような働き方ができます。

  • ドローンスクールインストラクターとして正社員で勤務する
  • 建設業などドローンを使う事業を行っている企業で、退職後に操縦技術を生かし嘱託社員としてドローンスクールインストラクターをする
  • 映像関連事業を行う会社に派遣され、ドローンインストラクターとして勤務する
  • 複業フリーランスとして活動し、仕事の1つとしてドローンインストラクターをする
  • 趣味でドローンの操縦を行い、その延長線上で空き時間にドローンインストラクターとして活動する

どのような資格を取得する時も同じですが、資格を取った後に「どのような働き方をしたいのか」をあらかじめ考えておくことが大切です。

まとめ

ドローンインストラクターとは、ドローンスクールや講習会などでドローンを活用するために知っておきたい法律の知識や、活用シーンに合わせた適切な操縦技術を教える講師を指します。

資格取得は必須ではありませんが、受講生の指導に必要な技術を身に着けるためにも、民間のインストラクター資格を取得しておくのが望ましいでしょう。この記事も参考にして、自分に合った資格やドローンインストラクターとしての働き方を見つけてみてください。

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この記事を書いた人

1等無人航空機操縦士資格保有

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