ドローンの業界団体JUIDAとは?活動内容から認定資格まで詳しく解説

公開:2024.11.11 

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ドローンスクール

ドローン業界団体JUIDAの講習風景

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ドローンの資格について調べていると「JUIDA」という言葉をよく目にするけれど、どんな団体なのか気になるという人はいませんか?

この記事では、ドローンの業界団体JUIDAの活動内容から認定資格まで詳しく解説します。

JUIDAとは?

ドローン業界団体JUIDAの拠点地

JUIDA読み方は「ジュイダ」で、正式名称は一般社団法人日本UAS産業振興協議会です。

2014年7月31日に設立され、日本の無人航空機(UAS)と次世代移動体システム(AMS)の新しい産業や市場の創造支援と健全な発展を目的に活動しています。

JUIDAの具体的な活動内容は次の4つです。

項目概要
教育ドローンの運用に関わる人材の育成や資格の認定をする JUIDA認定スクールを運営する
市場創造・ドローン産業の活性化およびドローン人口の拡大をサポートする
・イベントやセミナーを主催する
安全企画・社会実装に向けたドローン運用に必要なルールの策定をする
・ドローンの安全ガイドラインの策定をする
国際関連・海外関連団体との連携と国際標準化活動をする
・世界各国の団体とMOU(協力協定)を結び、海外のドローン・空飛ぶクルマなどの関連団体と連携する

JUIDA資格認定やスクールの運営をしている団体というイメージが強いかもしれませんが、他にもドローンの安全な運航への取り組みや市場拡大などさまざまな活動をしているのです。

 

JUIDAには入会した会員向けの「JUIDA会員サービス」があり、さまざまな特典が用意されています。

 

参考:JUIDA「JUIDA紹介」

JUIDA会員とは?

ドローン業界団体JUIDAの機体

JUIDA会員とは、次世代移動体システム(AMS)の、民生分野における積極的な利活用を推進する熱意を持ち、JUIDAの目的や事業に賛同する個人や団体のことです。

JUIDA会員について、入会方法、メリットを解説します。

JUIDAへの入会方法

JUIDA会員には以下の5種類があり、2024年9月現在会員数は27,755会員です。

対象者会員の種類概要入会金(非課税)年会費(非課税)
個人正会員JUIDAの目的に賛同して入会した個人で入会金と年会費を納入している50,000円10,000円
個人準会員JUIDAの目的に賛同して入会した個人で入会金と年会費を納入している5,000円5,000円
団体正会員JUIDAの目的に賛同して入会した団体で入会金と年会費を納入している100,000円120,000円
団体賛助会員JUIDAの目的に賛同して入会した団体で入会金と年会費を納入している50,000円50,000円
団体公共会員JUIDAの目的に賛同して入会した公益団体、学校、自治体、政府機関無料無料

また初年度の年会費は入会申請日に次のように金額が異なるので注意しましょう。

入会申請日 4月1日〜6月30日 7月1日〜9月30日10月1日〜12月31日1月1日〜3月31日
初年度の年会費年会費の満額年会費の3/4正規の年会費の半額年会費の1/4

個人団体とも入会申請はJUIDAのホームページから行うことができます。

JUIDA会員になるメリット

JUIDA会員になると、次のようなメリットがあります。

またメリットとして提示されたサービスの内容は以下の通りです。

項目概要
「ドローン飛行日誌作成・情報処理サービス」・飛行日誌を1クリックで自動作成できる
・ドローン飛行に必要な情報を管理・作成・出力できる
「Japan Drone/次世代エアモビリティEXPO」・Japan Droneとはドローンに特化した国内最大規模の専門展示会
・次世代エアモビリティEXPOは新たな空の移動革命として期待される「空飛ぶクルマ」の社会実装に向けた取り組みの実現を支援し、新しい産業の創造に貢献することを目指す
パートナー企業が提供するJUIDA特典講座やセミナーを特別価格で受講できる
JUIDAが認定する飛行場全国5カ所にあるJUIDAの試験飛行場、提携飛行場を利用できる
会員限定グッズJUIDA会員専用バッジを購入できる
JUIDA団体保険「東京海上日動火災保険会社」「三井住友海上火災保険株式会社」を引受保険会社とするJUIDA会員限定のドローン団体保険に加入できる
証明証JUIDAの認定資格を取得すると証明証をもらえる

会員の種別によって少しメリットの内容が異なりますが、年会費ともあわせて自分がどのようなサービスを受けたいかを考えて入会するかどうか選ぶとよいでしょう。

参考:JUIDA「JUIDA会員について

JUIDA資格認定

ドローン業界団体JUIDAの講習風景

JUIDAの4つの活動内容のうちの1つが「教育」でしたが、JUIDAではドローンの運用に関わる人材の育成を目的として資格認定を行っています。

JUIDA認定する資格は「ドローン資格」「専門操縦資格」の2種類があるので、それぞれご紹介します。

JUIDAドローン資格

JUIDA認定スクールで、JUIDAが定める科目を修了すると取得できる資格は「無人航空機操縦技能」「無人航空機安全運航管理者」の2つです。

資格の内容をご紹介します。

無人航空機操縦技能

無人航空機操縦技能とは、ドローンを安全に飛行させるための知識と操縦技能を持つとJUIDA認定した人が取得できる資格です。

資格の概要は以下の通りです。

項目概要
受講資格16歳以上(未成年は親権者同意書が必要となる)
証明証発行者数(2024年9月現在)累計32,303人
講習場所JUIDA認定スクール
講習の内容・座学
 1.UAS概論
 2.法律・ルール
 3.自然科学
 4.技術
 5.運用
 6.夜間・目視外
・実技
 1.点検
 2.手動操縦
 3.自動航行
修了試験座学+実技

無人航空機操縦技能は、ドローンの基礎について学び法律を守って安全に飛行させられるようになりたい初心者におすすめの資格です。

無人航空機安全運航管理者

無人航空機安全運航管理者は、ドローンの運航に関わる十分な安全と法律の知識を持ち、飛行業務の安全を管理できるとJUIDA認定した人が取得できる資格です。

資格の概要は次の通りです。

項目概要
受験資格・18歳以上
・無人航空機操縦技能を取得した人
証明証発行者数(2024年9月現在)累計27,392人
講習場所JUIDA認定スクール
講習の内容・座学
 1.UAS概論
 2.法律・ルール
 3.自然科学
 4.技術
 5.運用
 6.夜間・目視外
・実技
 1.点検
 2.手動操縦
 3.自動航行
修了試験座学+実技

無人航空機操縦技能は、ドローンの基礎について学び法律を守って安全に飛行させられるようになりたい初心者におすすめの資格です。

無人航空機安全運航管理者

無人航空機安全運航管理者は、ドローンの運航に関わる十分な安全と法律の知識を持ち、飛行業務の安全を管理できるとJUIDA認定した人が取得できる資格です。

資格の概要は次の通りです。

項目概要
受験資格・18歳以上
・無人航空機操縦技能を取得した人
証明証発行者数(2024年9月現在)累計27,392人
講習場所JUIDA認定スクール
講習の内容・座学
 1.UAS概論
 2.法律・ルール
 3.自然科学
 4.技術
 5.運用
 6.夜間・目視外
・実技
 1.点検
 2.手動操縦
 3.自動航行
修了試験座学

無人航空機安全運航管理者は、無人航空機操縦技能を取得した人の中でもう少し知識を深め、飛行業務に深く携わりたい人におすすめの資格です。

ドローンの民間資格についてもう少し詳しく知りたい方は、次のページもごらんください。

【初心者向け】ドローン操縦に資格は必要?知っておきたいドローンスクールや民間資格の基本 – ドローンHUB

参考:JUIDA「JUIDAドローン資格」

参考:JUIDA「よくある質問」

JUIDA専門操縦士教育

JUIDA専門操縦士教育は、「無人航空機操縦技能」「無人航空機安全運航管理者」を取得した人を対象に、より実務に近い専門的な技能や知識を習得してもらうのを目的として2020年に創設されたまだ新しい資格です。

JUIDA専門操縦士教育には「プラント点検スペシャリスト」「ドローン建築物調査安全飛行技能者」「森林測量スペシャリスト」の3つの資格があるのでそれぞれご紹介します。

プラント点検スペシャリスト

プラント点検スペシャリストは、ドローンを用いた石油化学プラント点検業務に必要な技能、知識を習得したとJUIDA認定した人が取得できる資格です。

総務省・厚生労働省・経済産業省がまとめた、「石化プラント点検のドローン活用に関するガイドライン」に準拠した内容になっているのが特徴的だと言えるでしょう。

資格の概要は以下の通りです。

項目概要
受講資格「無人航空機操縦技能」「無人航空機安全運航管理者」の両方を取得した人
講習の内容・座学(約4時間)
 1.プラント点検飛行概論
 2.法規制・ルール・申請方法
 3.技術
 4.運用上の留意点
 5.リスクに対する安全管理の手法
・実技(2日間)
 1.屋外近接飛行
 2.屋外俯瞰飛行
 3.屋内目視外飛行
 4.屋内暗所飛行
講習場所・座学→オンライン
・実技→福島ロボットテストフィールド

プラント点検スペシャリストは、仕事で石油化学プラント点検に携わっており、安全な点検のためにドローン活用をしたい人におすすめの資格です。

参考:ブルーイノベーション株式会社「JUIDAプラント点検スペシャリスト養成コース」

ドローン建築物調査安全飛行技能者

ドローン建築物調査安全飛行技能者は、建築物外壁に対してドローンを安全に飛行する技能と、建築物外壁を適切に撮影(全面および一部分)する技能を持つと、JUIDA認定した人が取得できる資格です。

建築基準法の12条点検に準拠しているのが特徴的だと言えるでしょう。

資格の概要は次の通りです。

項目概要
受講資格・「無人航空機操縦技能」「無人航空機安全運航管理者」の両方を取得した人
JADAの建築ドローン安全教育講習を修了した人
講習の内容・座学と実技で合計3日間
・座学
 1.安全管理・撮影の知識
 2.係留の知識
 3.ドローン飛行計画書の作成の知識
・実技
 1.安全管理
 2.飛行技術
 3.撮影技術
 4.係留技術
講習場所JUIDA認定スクール

ドローン建築物調査安全飛行技能者は、仕事で建築物の点検や調査を行い安全な点検や調査のためにドローンを活用したい人におすすめの資格だと言えます。

森林測量スペシャリスト専門操縦

森林測量スペシャリスト専門操縦士は、スマート林業を目的としたドローン操縦、データ解析、活用方法を習得したとJUIDAが認定した人が取得できる資格です。

資格の概要は次の通りです。

項目概要
受講資格個人ではないこと
講習の内容・事前学習(オンライン)
  1.無人航空機概論
  2.航空法と許可申請
  3.運用
  4.安全運航管理
  5.航空写真測量
・1日目(対面での実技)
  1.基本的な飛行方法
  2.非GNSS環境下での安全な操縦方法
・2日目(対面での実技)
  1.ドローン応用操縦(非GNSSモード)
  2.自動飛行用アプリ操作、計画作成など
  3.ドローン自動飛行(実技)
・3日目(対面での実技と座学)
  1.山間部用飛行解析研修
  2.Agisoft metashapeの概説
  3.樹冠表面高モデル作成(DSM作成)
  4.オルソモザイク画像の作成等
  5.QGISの概説

講習を修了すると、「無人航空機操縦技能」「無人航空機安全運航管理者」「森林測量スペシャリスト専門操縦士」の3つの資格取得できます。

森林測量スペシャリスト専門操縦士はドローン操縦について基礎から学びつつ、森林測量にドローンを活用したい人におすすめの資格です。

参考:JUIDA「JUIDA専門操縦士教育について」

JUIDA認定スクールを開校するには?

ドローン業界団体JUIDAの講習風景

JUIDAでは人材育成を目的として資格認定を行っていますが、資格取得するためのスクールをJUIDA認定スクールとして開校させる取り組みもしています。

JUIDA認定スクール開校の前提条件は以下の通りです。

  • 法人格を持つ
  • 座学会場、屋内飛行場、屋外飛行場がある(借用地でも可)
  • JUIDA認定講師を配置できる

一方JUIDA認定講師とは、次の条件を満たす人のことを指します。

  • 原則としてドローンの運用経験が2年以上あること
  • JUIDA操縦技能証明証」「JUIDA安全運航管理者証明証」を取得済みであること
  • JUIDA認定スクールに推薦され、JUIDAが主催する「認定スクール講師養成講座」を受講済みであること

JUIDAの活動方針に共感し、ドローン業界の発展のために役立つ人材をたくさん育成したいという志のある人は、JUIDA認定スクールの認定について問い合わせをしてみるとよいでしょう。

参考:JUIDA「JUIDA認定スクールの開校について」

まとめ

JUIDA読み方は「ジュイダ」で、日本の無人航空機(UAS)と次世代移動体システム(AMS)の新しい産業や市場の創造支援と健全な発展を目的に活動している団体です。

この記事も参考にして、さらにドローンJUIDAへの理解を深めてみてください。

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この記事を書いた人

1等無人航空機操縦士資格保有

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