ドローンの民間資格とは?国家資格との違いから今後の見通しまで詳しく解説
公開:2024.09.17
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自社でドローンの民間資格を取得して仕事をしてもらっている従業員がいるけれど、2022年から国家資格ができたので今後そちらを取得してもらった方がよいか悩んでいる人はいませんか?
この記事では、ドローンの民間資格と国家資格の違いから今後の見通しまで詳しく解説します。
ドローンの民間資格とは?
ドローンの民間資格とは、ドローンについて民間の団体や企業が独自の審査基準を設けて認定する資格のことを指します。
具体的には、2024年7月現在、ドローンの国家資格とは「無人航空機操縦者技能証明」のことを指すため、これ以外の資格はドローンの民間資格です。
国家資格は国の法律に基づいてドローン操作の個人能力・知識が判定されます。民間資格は民間の団体や企業のオリジナルの審査基準で判定される点が大きな違いと言えます。
民間資格が取得できるスクールについても詳しく知りたい方は、次の記事もご覧ください。
【初心者向け】ドローン操縦に資格は必要?知っておきたいドローンスクールや民間資格の基本 – ドローンHUB (drone-hub.net)
ドローンの民間資格を取得するメリットとデメリット
ドローンの民間資格を取得するメリットは以下の通りです。
- ドローンの使い道に合わせた内容の資格が取得できる
- (取得後に国家資格である無人航空機操縦者技能証明の取得を考えている場合)登録講習機関の無人航空機講習を修了すると指定試験機関での実地試験が免除される
またデメリットは次の通りです。
- レベル4飛行など民間資格取得では対応できない飛行がある
ドローン資格を取得する時国家資格か民間資格か迷うかもしれませんが、民間資格を取得するメリットとデメリットを比較検討した上でどれがいいかを判断するようにしましょう。
ドローンの民間資格の一覧
ドローンの民間資格にはどのようなものがあるのでしょうか。
一部を抜粋して一覧でご紹介します。
主催する団体 | 資格名 | 概要 | ホームページ |
---|---|---|---|
JUIDA | 無人航空機操縦技能 | ・無人航空機を安全に飛行させるための知識と操縦技能がある人に与えられる資格 ・ JUIDA認定スクールにおいてJUIDAが定める科目を修了しなければならない | ・ドローンスクール群馬インターネット:登録講習機関:JUIDA認定スクール (gunmanet.jp)
・ JUIDAドローン資格 | JUIDA (uas-japan.org) |
JUIDA | 無人航空機安全技能管理者 | ・無人航空機の運航に関わる十分な安全と法律の知識を持ち、飛行業務の安全を管理する人に与えられる資格 ・JUIDA認定スクールにおいてJUIDAが定める科目を修了しなければならない | |
JUIDAプラント点検専門操縦士 | ・総務省・厚生労働省・経産省がまとめた「石化プラント点検のドローン活用に関するガイドライン」に準拠した資格でドローン点検の正しい知識と技術が習得できる ・ 座学講習と実技講習がある | JUIDAプラント点検スペシャリスト養成コース ブルーイノベーションが提供するドローンの人材育成・応用カリキュラム(BEPエキスパート) | ブルーイノベーション株式会社 (blue-i.co.jp) | |
ドローン建築物調査安全飛行技能者 | ・建築物の外壁点検・調査における専門のドローン操縦者を育成するのを目的とした資格 ・座学と実技で構成されたプログラム | ドローン建築物調査安全飛行技能者コース | JUIDA (uas-japan.org) ドローンスクール | 株式会社ミラテクドローン (miratecdrone.co.jp) | |
森林測量スペシャリスト専門操縦士 | ・森林測量ならではの林業に特化したカリキュラム ・JUIDA無人航空機操縦技能講習に沿って、ドローンの操縦方法、飛行に関わる関係法令や航空法に基づく許可承認申請手続き、安全管理などの基本的な内容を基礎から学べる資格 | 森林測量スペシャリスト養成コース | JUIDA (uas-japan.org) | |
DJI JAPAN | DJI CAMPスペシャリスト | ・DJI製無人航空機の正しい知識、正しい操縦方法、そして飛行モラルを習得しているかを評価する民間資格 ・指定の講習を受講し、指定の試験(筆記・飛行・オンラインテスト)に合格しなければならない | ・講習 DJI CAMP公式サイト (aeroentry.jp)
・ DJI JAPAN指定教育プログラム「DJI CAMPスペシャリスト認定講習」 |
DPA | ドローン操縦士回転翼3級 | 回転翼航空機の飛行に必要な基礎知識と操縦する基本技術を認定する資格 | ・DPAスクール|一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA) (d-pa.or.jp)
・DPA「資格認定事業」 |
ドローン操縦士回転翼3級インストラクター | 回転翼航空機の実地を講習するための技能と、座学・実地を講習する際に必要な基礎知識を認定する資格 | ||
JDA | ROV操縦士ベーシック | ・水中ドローンの基本的な知識と技能を習得していると認めた人に付与する資格 ・安全に運航するための座学と、水中ドローンを用いた実技講習を行う | 一般社団法人日本ドローン協会「水中ドローン講習/検定会」 |
ROV操縦士インストラクター | ・ROV操縦士ベーシックの合格者を対象としインストラクターになるのを目的とした資格 ・安全に運航するための座学と、水中ドローンを用いた実技講習を行う | ||
ドローン検定協会株式会社 | ドローン検定4級~ 1級 | ・無人航空機を取り扱う人の知識レベルを客観的に評価し、その資質向上と周囲の方への理解を広めることを目的として全国で一斉に開催する検定 ・「基礎知識」「物理学」「工学」「気象」「専門知識」「法令」の6つのジャンルから出題されるが級によって内容が異なる | ドローン検定「検定要綱・日程」 |
JDC | JDC技能検定 | ドローン本体の操縦技能とドローン操縦に不可欠な無線知識等安全な運行知識を合わせ持った質の高い操縦士育成を目的とした資格 | ・技能検定 アーカイブ - JDC 一般社団法人 日本ドローンコンソーシアム
・JDC認定ドローンスクール詳細 - JDC 一般社団法人 日本ドローンコンソーシアム ・ドローン事業│有限会社タイプエス (type-s.co.jp) |
一般社団法人農林水産 | 産業用マルチローターオペ | 「産業用無人航空機運用要領」第7条の規定に基づき、産業用マルチローターを、安全で適正に利 | 一般社団法人農林水産航空協会「産業用マルチローター各種基準 |
DPCA | 経験者技能認証 | ・「目視外飛行・自動航行・側面・対面飛行・安全運航管理・撮影方法の教習内容を標準化した技能認証を目的とした資格 ・(取得後に国家資格である無人航空機操縦者技能証明の取得を考えている場合)修了すると指定試験機関での実地試験が免除される | 民間操縦ライセンス取得コース | 一般社団法人DPCA(ドローン撮影クリエイターズ協会) (dpcajapan.org) |
DPCA商業撮影操縦士 | ・実際の空撮業務を想定し、運用に必要な専門的ノウハウ習得を目的とした資格
・座学と実技を通して、高度なカメラワーク技能と現場で求められるディレクションスキルを中心に学ぶ | 空撮ディレクションコース | 一般社団法人DPCA(ドローン撮影クリエイターズ協会) (dpcajapan.org) | |
DPCA FPV撮影操縦士 | 基礎的な操縦技能を身につけた人が、実際のクリエイティブな現場でFPV業務を行うことを想定し、運用に必要な専門的ノウハウ習得を目的とした資格 | FPV ドローンコース | 一般社団法人DPCA(ドローン撮影クリエイターズ協会) (dpcajapan.org) | |
水中ドローン安全潜航操縦士 | 水中ドローン操縦に必要な知識と操縦技術を学ぶのを目的とした資格 | 水中ドローンコース | 一般社団法人DPCA(ドローン撮影クリエイターズ協会) (dpcajapan.org) |
ドローンの民間資格は、ドローンの使用目的や、できることによってさまざまに細分化されています。まずは「どのような目的でドローンを飛行させたいか」を明確にしてから取得してもらう資格を比較・検討するのが大切です。
ドローンの民間資格における今後の見通し
2025年12月5日以降「ドローンの民間資格を国家資格に一本化する」旨の情報がインターネット上にありますが、これは2023年時点での古い情報です。
2024年9月時点では、国土交通省のホームページに掲載されている「無人航空機操縦者技能証明等FAQ」には、民間資格はいつまで発行できるかとの質問もあります。
回答は「民間競争領域の民間資格について、国から特にコメントはございません。」です。
国土交通省の無人航空機ヘルプデスク(050-3818-9961)にも資格の一本化について確認してみましたが、同じ回答でした。
このことから、ドローンの民間資格を今から取得するのに遅いことはありません。国家資格では学べない内容も学べるメリットがあるため、目的に合わせた資格の選び方をするのが大切だと言えます。
まとめ
ドローンの民間資格とは、ドローンについて民間の団体や企業が独自の審査基準を設けている資格です。
この記事も参考にして、従業員にドローンの民間資格を取得してもらう方がメリットがあると判断した場合は、積極的に資格取得を推進してみてください。
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この記事を書いた人
1等無人航空機操縦士資格保有
ドローンの可能性を広げるため、有益な情報の発信や飛行に関する情報をお届けします。人手不足の解決や、実現不可能だったことを実現していく可能性を秘めたドローンを様々な方へ理解いただき、有用性を実感できるようなメディアにします。