農業用ドローンの資格とは?講習内容から取得するメリットまで詳しく解説
公開:2024.09.18
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地元で農家を営んでいるけれど「人手不足で思うように農作業がままならず困っている」人はいませんか?
この記事では、そんな人に知ってほしい農業用ドローンの資格について詳しく解説します。
農業用ドローンの資格とは?
2022年に農林水産省がまとめた「令和4年度農業分野におけるドローンの活用状況」によると、農業では現状で以下の分野でドローン活用が進められています。
- 農薬散布
- 肥料散布
- 播種
- 受粉
- 農産物等運搬
- ほ場センシング
- 鳥獣被害対策
- 情報取集・発信
農林水産省では「農業用ドローンの普及拡大に向けた官民協議会」を立ち上げました。
今後も官民が連携しながら農業用ドローンの普及拡大を進める方針なので、安全を確保しながらドローンの農業への利用を促進できる有資格者の育成は急務だと言えるでしょう。
民間資格ではありますが、農業用ドローンの資格は2つあるのでそれぞれご紹介します。
ドローンの資格が取得できるスクールについても知りたい方は、次の記事もご覧ください。
【初心者向け】ドローン操縦に資格は必要?知っておきたいドローンスクールや民間資格の基本 – ドローンHUB (drone-hub.net)
参考:農林水産省農産局技術普及課「令和4年度農業分野におけるドローンの活用状況」
産業用マルチローターオペレーター技能認定
一般社団法人農林水産航空協会では、食料自給率の向上、国民の食の安全、生活・自然環境の保全に寄与する目的で「農林水産業でドローン利用の安全で効率的な推進」を行っています。
一般社団法人農林水産航空協会が、産業用マルチローターオペレーターの育成を目的に認定する資格が産業用マルチローターオペレーター技能認定です。
産業用マルチローターオペレーターの資格の概要は次の通りです。
項目 | 概要 |
---|---|
資格要件 | 次の4つの条件を満たす人 1.産業用マルチローターオペレーター技能認定基準により異なるため要確認 2.視力と聴力が正常であること(矯正器具の使用で正常と同等と認められる人を含む) 3.身分証明書が提出できること 4.心身ともにオペレーターとしての適性があると認められること |
講習内容 | ・操作実技教習
1.マルチローターおよび散布装置の操作に関すること 2.マルチローターおよび散布装置の取扱いに関すること その他、必要な事項 ・学科教習 農林水産航空事業に関すること 病害虫・雑草防除等マルチローター利用技術に関すること 農薬の安全使用に関すること マルチローターの運用管理に関すること 機体の取り扱いおよび安全使用に関すること その他、必要な事項 |
産業用マルチローターオペレーターの資格を取得すると交付される「産業用マルチローターオペレーター技能認定証」の有効期限は3年です。更新するには更新研修を受ける必要があるので注意しましょう。
また講習料金や講習期間は教習施設により異なります。
一般社団法人農林水産航空協会の「産業用マルチローター教習施設検索」のページから自分の受講したい教習施設を選び、各施設のホームページで確認が必要です。
参考:一般社団法人農林水産航空協会「産業用マルチローター各種基準」
農業ドローン技能認定
ドローンを用いた農薬散布が安全でスムーズに行われるよう、農業ドローン技能認定、飛行許可申請、操縦者の技術向上、機体の整備などを包括的にサポートをしている団体がAGRAS農業ドローン協議会です。
AGRAS農業ドローン協議会が認定する資格が農業ドローン技能検定です。
資格要件 | 項目 |
---|---|
資格要件 | ・次の4つの条件を満たすこと 1.年齢が満16才以上 2.視力が両眼で0.7以上 3.読み書きができ受講内容が理解できる 4.心身ともに健康でドローンの操縦に支障がない |
講習内容 | (例) ・AGRAS農業ドローン協議会指定テキストに準じた座学講習 ・飛行実習 |
講習料金や講習期間は教習施設により異なるため、ホームページの教習施設一覧から問い合わせが必要です。
参考:FBSドローンカレッジ「AGRAS農業協議会認定ドローンオペレーター教習」
農業用ドローンの資格を取得するメリット
農業用ドローンの資格を取得するメリットは以下の通りです。
- ドローンを安全に飛行させるために必要な知識と技術を習得できる
- ドローンを用いた農作業の精度が高まる
- 農業にかかるコストが削減できる
- 新しいビジネスチャンスが生まれる
- 市場での競争力がつく
- 人手不足を解消できる
人手不足を解消し新たなビジネスチャンスを生む可能性のある、農業用ドローンの資格を早めに取得しておくのは、これからの農業を担う上でも大いに役立つでしょう。
農業用ドローンの資格を取得するデメリット
農業用ドローンの資格を取得するデメリットは次の通りです。
- 資格取得費用がかかる
- 継続的な学習が必要
ドローン技術の進歩は早いため、農業用ドローンの新しい機体や新しい飛行技術が開発されればそれを再び学ぶ必要が出てきます。
また産業用マルチローターオペレーターの資格の場合、「産業用マルチローターオペレーター技能認定証」の有効期限は3年で、更新するには更新研修を受ける必要があります。
しかしデメリットを考慮したとしても農業用ドローンの資格取得で得られるメリットの方が大きいので、前向きに資格取得を検討するのがおすすめです。
まとめ
農業でのドローン活用の分野は少しずつ広まりつつあります。資格を取得して安全にドローンを飛行させられるようになっておくと、コスト削減や新しいビジネスを生むチャンスにつながるでしょう。
この記事も参考にして、資格を取得しこれからの農業にドローンを積極的に活用してみてください。
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1等無人航空機操縦士資格保有
ドローンの可能性を広げるため、有益な情報の発信や飛行に関する情報をお届けします。人手不足の解決や、実現不可能だったことを実現していく可能性を秘めたドローンを様々な方へ理解いただき、有用性を実感できるようなメディアにします。